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「市学力検査」の背景について

先日、さいたま市学力検査の漏洩事件があり、試験が中止になったという記事が出ていました。

記事自体は正確なものだと思いますが、それに対しての識者の解説、一般の人からのコメント等間違っている部分も多かったため、改めて解説をしていきたいと思います。

なお本文では、漏洩に関することではなく、「市学力検査」が存在する背景について簡単に述べてみます。

・30年ほど前には、北辰テストは中学校で受けていた。そして「市学力検査」というものは存在しなかった。

そのため担任の先生は、生徒全員の模試での学力を把握することができていた。さらに、中学校ではその成績(偏差値)を生徒の希望する私立高校に提出して、事前に合否の判定(確実に合格できるかどうか)を高校側から知らされていた。

中学校では、その結果を三者面談で伝え進路アドバイスを行っていた。

・その後「校内での業者テスト(北辰テスト)」と、私立高校と中学校との接触を禁じることになる。

業者テスト廃止の主な理由としては、民間会社のテストを公立校で行うことはおかしいというもの。これによって北辰テストは校内で受けられなくなる。更に生徒が会場で受けた北辰テストの結果も中学では聞き取ることができなくなる。

・校長会で、北辰テストの代わりになるものとして「市学力検査」を始める。

北辰テストの結果を知ることができない中学側は、生徒の進路指導ができなくなるため、各市では校長先生が中心となって作成した「市学力検査」を開始することになる。

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ここまでが、現在までの主な流れとなっています。

非常に端折った内容ですがご了承ください。

現在の善し悪しは別にして、さいたま県では上記の理由によって生徒が受けるテストの数が増えてしまったことだけは事実です。

なお「市学力検査」の結果で私立高校の推薦(いわゆる確約)を貰える高校もありますが、これは一部の高校に過ぎないのと、埼玉市民にとってはあまり意味がないものになっています。

それは、さいたま市は県内でもトップクラスの学力があるため、市内だけの生徒を対象に行う「市学力検査」では、北辰テストに比べてどうしても偏差値が下がってしまうケースが多いからです。

今回の事件を機に、「市学力検査」というもの自体が見直されて行く流れにはなっていくことでしょう。

しかし、ネット等に書かれているように単に廃止するだけでいいという問題でもないわけです。

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