埼玉県には、現在「さいたま市立浦和中学」(※以下市立浦和)と「伊奈学園」の2校の中高一貫公立校があります。
平成29年度の受験日程についての正式な発表はまだですが、恐らく今年と同様この2校の一次試験は同じ日になりそうです。
それまでは、両方とも受験する生徒も多かったのですが、それができなくなってしまいました。
ここで「伊奈学園」のここ3年の受験者数を見てみたいと思います。
平成28年度 429名
平成27年度 542名
平成26年度 598名
これを見ると年々受験者数が減っていることが分かります(そうは言っても定員が80名ですので、まだまだ高倍率であることに変わりはありません)。
この要因は主に2つあります。
1つは「市立浦和」と受験日程が重なったこと(27年度のみ)、そしてもうひとつは4年前から「抽選がなくなった」ことです。
当初抽選がなくなると受験者が増えるのかなと思っていたのですが、実際は逆で大幅に受験者数を減らしてしまいました。
これが私立中学であれば、学校側も受験者数を増やそうと慌てるところですが、伊奈学園中学の場合はむしろ狙い通りなのではないかと思われます。
公立中学というのは、公立高校と違って合格した場合でも「入学を辞退」することができます。
これがなかなか曲者でして、入学の辞退者が増えると繰り上げ合格者数が多くなってしまいます(私立中学ですと、予めこれを想定して多めに合格者を出すところが多いのですが、公立中学の場合はそうすることはできません)。
これは本来学校側からしても望むところではないわけでして、昨年「市立浦和」と入試日を同じにしたことは、このことを回避するためには成功したと言えるはずです。
いずれ近い将来には、「公立中学の合格者は辞退することができない」という日が来るかもしれません。
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